【海外生活】7歳男児が抱える今後への不安
兄助が突然怒り始めました。
いったい彼は何にイライラしているんだろう。
我が家の長男・兄助
兄助は7歳、日本でいうと小学校1年生。今はマレーシアのインターナショナルスクールのGrade1で奮闘中です。
今年の4月に日本の小学校に入学し1学期を過ごし、夏休みにマレーシアに引っ越しきて8月スタートの学校に再び1年生(Grade1)としてスタートを切りました。
彼は、正直準備不足だったとは思いますが、4月から英会話教室・Kids Duoに入り、何とか多少の英語を身に着けてここへ来ました。
非常に厳しい環境の中、そして日本とはまた違うカリキュラムの中で必死に新しいことを学んでいます。最近家でオンライン英会話を始めて、横で様子を見ているとちょっとした先生とのフリートーク(今日は学校どうだった?とか)でも困っています。まだまだ英会話ができる!とは言い難いレベルなんだなーと思う一方で、それでも日々何とか学校の授業を受け、お友達とやり取りしているのだから大したものです。
兄助のイライラ
そんな兄助。学校は「行きたくない」と言ったことはなく、嫌な授業もあるとは言え、楽しんで学校生活を送っています。
ところが今日は朝からイライラしていました。
どうしたんだろう?
「僕が夏休みに日本に帰る時って(日本の)学校の皆は何年生?」
日本は4月で皆学年が上がるから2年生だけど、別に兄助はその時は学校に行くわけじゃないし…同じ学年だよ?と答えましたが、何だか納得いかない様子。
難しいですね…、7月の時点だと4月始まりの日本では2年生ですが、8月始まりの今の学校ではまだGrade1で、学年に差ができています。
とはいえ、だからどう、ってこともないのですが…兄助としては何だか胸に引っ掛かっているみたいです。
「日本の学校に入れないよ!」
転入するときには前一緒の学年だった子たちと同じ学年になるから大丈夫だよ、と説明するのですがなかなか聞き入れてくれません。どうしたものか…と思っていると
「だって僕日本の学校の勉強してないんだもん!」
あぁ、そこか。君が身にしていたのはそこか。
確かに日本の小学校とインターナショナルスクールのカリキュラムはかなりかけ離れています。
小学校1年生の授業は
- 日本:国語、英語、算数、体育、音楽(歌や鍵盤ハーモニカ)、図工など
- インター:英語、中国語、算数、体育、音楽(歌やクラリネットなど)、図工など
日本の小学校とインターナショナルスクールのカリキュラムの違い
目標設定が違う
日本の学校教育は「皆ができるように」ということに目標が設定されていると常々思っていました。正直自分が小学生の時も「この授業簡単すぎてつまらない…」と思うこともありました。
一方でインターナショナルスクールを見ていると、ハードです。
教科書類は常に学校に置きっぱなしなので、先日長期休暇の時にチラッと見たのですが、英語の教科書が半端なく難しい…。正直、私が高校生の時に使っていた教科書に匹敵するんじゃないかというレベルでした。
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日本の英語教育とは当然ながらかけ離れている…
音楽もクラリネットやバイオリンなど私立だからというのもあるのでしょうが、なかなか難しいです。兄助自信「鍵盤ハーモニカは簡単だったのに…」と言います。確かに音を出すだけでかなりハード。
あとは日本でいう「生活」や「道徳」なんかに該当するのかもしれませんが、その単目の宿題が毎週のように出されます。
- 家族間での役割
- 家族の価値観
- 家族を更に大きくして民族・国としての文化や価値観
大人の私ですら結構ハード。家族の価値観って何?みたいに考えさせられます。
思うにインターナショナルスクールの目標設定は日本に比べるとかなり高いです。それはそうかもしれません。ここでは飛び級もありだし留年もあり。学年が上になれば、卒業できるかどうかも確約されてはない世界です。
科目が違う
そして当然ながら、日本とインターでは科目が違います。
まず語学。日本では日本語をしっかりと取り組み、英語はおまけ程度。それでも私たちが子ども時よりは英語も力を入れるようになったと思います。私たちの時は小学校では英語の授業はなかったのに、兄助は週に1度だけではあっても外国人講師による授業がありました。
でも週に1回。たったの45分。
インターでは当然すべての授業が英語で行われていて、授業中は英語以外の言葉は禁止です。マレーシア人の子が比較的多いですが、その子達同士でマレー語で話そうものなら先生から注意を受けてしまうようです。
そして最近は中国語も勉強するそうで、中国語も取り組んでいます。こちらは週に3回程度です。漢字はある程度意味が同じなのでとっつきやすいものの、小学校1年生では到底習わない漢字(例えば「穿」wearという意味だそうです)なんかも書き取り練習が出されていて、ちょっと面喰ったりします。
同じ「算数」であっても進行具合が違う
算数なんかは世界共通なんじゃないかと思っていましたが、それすらも進行具合が結構違うのでびっくりします。
日本の小学1年生の算数は
- 数(1~10)
- 何番目(「前から3人」と「前から3番目」の意味の違いとか)
- 足し算・引き算(10まで)
- 数(10より大きい数※せいぜい30くらいまで)
- 時計
- 長さの比較
- 3つの数の計算(3+2+2のような)
- 形(丸、三角、四角)★
- 広さの比較★
- 大きい数(120くらいまで教科書に出てくる)★
- 図形★
後半の★がついているのは下巻の教科書なので、多分そろそろやっているころ。
インターナショナルスクールの算数はいかんせん教科書が学校なのでちゃんとはわからないのですが…
- 数(1~10)
- 数(100まで)
- 何番目(「前から3人」と「前から3番目」の意味の違いとか)
- 足し算
- 引き算
- 掛け算
毎週の宿題と毎週先生が「今週は〇〇をしました」と書いてくれるメモを見た感じ以上の様子です。入学して2か月でここまで来てます。掛け算が登場したことに驚きです。
兄助が不安に感じていること
日本の皆がやっていて自分がやっていない勉強があること
どちらかと言えばインターの方がより高いレベルを求められている気がするものの、やはりインターではやらない日本の小学校でやる勉強はあります。
その筆頭が国語であり、彼の最大懸念事項は漢字。
日本からウンコ漢字ドリルを持ってきたので、小学校1年生・2年生で習う漢字は把握できています。今現在も気が向けば自発的に時々ドリルをやっているので、問題ないと思っていましたが、「ドリルをやるだけじゃ覚えられない!うんこの文でしか覚えられないじゃん!」と怒っていました。
今覚えたことを日本に帰ったら忘れてしまうこと
今かなりインテンシブに英語と中国語と何なら算数も先取り(日本からすると)で学んでいるわけですが、日本に帰ったら英語は週1回で45分、中国語は全くなし、算数も多分「もうやったなー」という単目で、せっかく覚えたことを忘れてしまうんじゃないかと思っているようです。
それは当たり!兄助自身がそれに気が付けるとは驚きです。私も夫もここでせっかく身に着けたものを継続できる環境を作らないと、あっという間に忘れてしまうことを懸念していました。
懸念事項への対策
未学習内容への対策
うちの子のインターナショナルスクールは結構お休みが沢山あります。
- 秋休み(quarter1と2の間):1週間
- 冬休み(quarter2と3の間):1か月
- 春休み(quarter3と4の間):1か月
- 夏休み(quarter4と新学年開始の間):1か月半
冬と春が圧倒的に長いです。正直親の私がうんざりしそうだな…というくらい長いです。
しかし、この休みを利用しない手はありません。
普段は今の学校の授業に追いつくので必死ですから、日本の勉強までは手が回りませんが、この長期休みなら多少宿題があっても日本の勉強をする余裕は作れるはずです。
そこで持ってきたウンコ漢字ドリルや後期分の教科書、足りなければネットでドリルを引き出すことも、クアラルンプールの紀伊国屋書店でドリルを探すことも、なければジジババに送ってもらうことだってなんだってできます。
教材は手に入れられるし、なくてもやる範囲さえわかれば何とかなるはずです。
目下対応が必要な教科は「国語」の漢字と算数の教科書で不足分をチェックしてみればOKです。というか、既に時計も読めているので多分漢字だけが課題だと思うので、大丈夫です。
時間さえ十分にあって、本人が危機感を持ってくれればできないわけがありません。
帰国後の能力維持への対策
英語は小さいうちから力を入れている家庭は多いので、対策は日本でもいくらではずです。とりあえずは今もやっているオンライン英会話があれば問題ないかと思います。
あとは、マレーシア渡航前に通っていたKids Duoに再び通うのもありです。いくらでも方法はあるので、本人にとっても親にとっても負担が大きすぎずルーチン化できるものを組み込めば問題ないと思っています。
中国語もオンラインで探すのが一番手っ取り早いかな、と思っています。あとは今兄助には中国人のお友達が何人かいるので、その子たちとうまくつながりを保てるとよりいいかな。
算数はやや進んでいる気がするものの、やることとしては大きな違いはないと思うので特別何も考えてはいませんが、帰国前の進捗状況によってはジージに相談しようと思います。
我が家のジージは非常に教育熱心なのです。そして数学が非常に得意。仕事がそちら方面なのもあって、かなり詳しいのです。何なら特別プログラムを作ってくれるのではないかと期待できるので、様子を見て相談したいと思います。
7歳だってこれからのことを考えている
最初話し始めた時はもやもやとして不安と焦燥感でイライラしていたのでしょうが、少しずつ話して何が具体的に不安に思っていて、その対策が立てられること教えてやると落ち着いてきたようです。
落ち着くと兄助は誕生日に買ってもらった「国語辞典」と「漢字辞典」を読みふけり始めました。日本語に飢えているのか、熱心に辞典を読み漁っています。そして覚えたてのことわざなんかを披露してくれます。
まだ日々の生活でいっぱいいっぱいだろうに、ちゃんと先のことまで考えているんだなと感心しました。
そして内心見くびっていた自分に反省です。頑張ろう!まだ2か月始まったばかりのマレーシア生活。帰る時にはビックな男になってやろう!