子どもに食物アレルギーが出てしまった…
1歳の次男・チビ助に食物アレルギーが出てしまいました…。
助産師として仕事をしている中でも、最近はお母さんお父さんたちから食物アレルギーについて聞かれることも多く、関心の高い話題なんだなーと感じるところなので、記事に書き残しておきたいと思います。
※正直先月から書きたいと思って自分に課したノルマでもあったので…
ただ、喘息やアレルギー全体を書こうとするとまだまだまとめきれないので、今日のところは食物アレルギーについて。
そうそう、今回書いた内容は我が家の体験談と以前私が参加したセミナーからの受け売りです。このセミナーが非常に良かったので、興味がある方は受けてみることをお勧めします。希望があればわかりやすいパンフレット等もダウンロードできるので、のぞいてみるだけでも損はさせません♪
アレルギーについてはどんどん情報が更新されているようなので、最新の確かな情報をお求めの場合は以下のリンクをご参考にしてください!
アレルギーは遺伝する
100%遺伝ではありません。
とはいえ、遺伝しやすいのは確かです。
両親が双方、またはどちらか喘息(子供の時だけの小児喘息も含めて)とかアトピー性皮膚炎だったりとか、花粉症だったりすると子供もアレルギー体質の気はあるといわれています。
ちなみに我が家は
- 父親(夫):小児喘息、アトピー性皮膚炎
- 母親(私):花粉症、食物アレルギー(魚介類)
- 長男(兄助):アトピー性皮膚炎(今はほぼ治っている)、たまーに咳喘息
- 長女(ネーネ):アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギー(魚介類)
- 次男(チビ助):食物アレルギー疑惑(牛乳)
と、みごとに一家全員アレルギーまみれ…。しいて言えば兄助が一番健康体。小さい時はかなり怪しかったものの、何とか乗り切った?(まだ油断はできないけど…)と思われます。
遺伝しやすいものの、多少は予防することも可能です。
一番の予防方法はスキンケア!兄助は怪しい…となってからスキンケアを頑張って乗り越えられたのでは…と思っています。
ただ予防はあくまでも予防でしかなく、完璧ではありません。確かに私が多少さぼりがちなのはあるけれども、兄助と同程度には頑張ったけど下二人は結局発症…特に真ん中ネーネはひどいことになっています。
それぞれの食物アレルギー発症歴
母(私J)の場合
私の初の発症はなんと27歳!大人になってから、ネーネの出産後でした。
妊娠出産すると体質が変わる、とも言われるので、そのせいかもしれません。
私のアレルギーの食べ物は魚介類の中でも貝。それもホタテ貝やムール貝などの大きな貝でした。
小さい時からアサリやシジミなどのお味噌汁の定番の貝が苦手でした。全くおいしいと感じられず、いつも丸呑みでやり過ごしていました。今思えば、その時から体が異変を感じ取っていたのかな…?
初の発症はイタリアンレストランで大学の同期とクラス会をしていた時。
オシャレなお店でムール貝が出されて、正直食べたくないと思ったけど、「大人なんだし、食わず嫌いは良くないよね」と思って頑張って食べたら…OUT!
あっという間に
- 血圧低下(頭から顔から血の気が引くのがわかる)
- 呼吸困難(本当に死ぬかと思った)
- 嘔気(気持ち悪くて仕方ない)
という症状に襲われ、しばし隅のほうで丸まっていました…。
皆に極力迷惑をかけないように自力で何とか移動して、「ちょっと気持ち悪くて…」なんて話していたので(意識は保たれていた)、周り看護師・助産師の同期は2人ほど交代で見守りつつ飲み会続行。
全員看護師って強いな…。
2回目はそれから数か月後、友人の結婚式にて。
その時にはホタテで同じ症状が出ました。
正直ホタテは今まで食べたことがあったのに、エキスとかなら結構食べる機会は頻繁にあったのにこんなことになるとは…
ちなみにこの時も力を振り絞って、自力で退席し、ホテルスタッフの人に休めるところに案内してもらって、披露宴をぶち壊さないように頑張りました。
今まで貝全般を好んで食べる生活はしていなかったので、それ以降全く食べていません。
堂々と「あ、ごめんなさい。アレルギーで」と拒否っています。
まぁ事実ですし。自分の好き嫌いが正当化されてむしろ良かったと思っています。
5歳ネーネの場合
ネーネの初の発症は1歳半の時でした。
旅行先の港の近くの定食屋さんで、大人は海鮮丼などを、子どもはコロッケ定食などを頼んで食べました。
私はイクラが大好きで、その時イクラ丼を食べていました。
ネーネもきれいな粒粒が気になったようで、「欲しい」と言いました。
兄助も確かこれくらいの時に回転すしでイクラを食べたっけ?と思って、一口あげたら…
「ギャー!!!」
口に入れた瞬間にぎゃんぎゃん泣き始めました。舌をかきむしって強烈な拒絶反応を示します。
急いで水を飲ませ、タオルやティッシュなどでかきむしる舌を可能な限りぬぐい、それでもぎゃんぎゃん言っているので、持っていたチョコを口直しに食べさせて、ようやく静まりました。
と思ったのもつかの間…10分もすると今度は目が、口の周りが赤く腫れぼったくなってきて、二重瞼はすっかり一重瞼に…。
旅行先ですぐ近くに小児を見れるような大きい病院がなかったのと、本人自体は見た目はアレなものの元気なので、水を飲ませながら様子を見ることに。(必ずしもいい判断とは言えませんので、悪しからず…。本来なら症状が出ているうちに受診するほうがおススメです。)
幸い30分もすると腫れが落ち着いてきて、いつも通りの目になってきました。
もし、私の時のように呼吸困難とかになっていたら…と思うと怖くてたまりません。
しかし、その旅行から帰ってきて2,3日後から何だかヒューヒューしている気がする?
それは今なお続く喘息の始まりでした…。
その時には小児科で薬を出してもらい、喘息症状は落ち着いたのですが、その後も何度か食物アレルギーを発症してしまい、その度に喘息症状が出る→薬で治療をしてきました。
しかし、段々と季節の変化などでも喘息発作が出るようになり、治療しても治療しても薬を減らすと悪化する、と言うようなことが出てくると結局ずーっと喘息の治療をしなくてはならなくなり…今は毎日内服・吸入治療をしている状態です。
ちなみに、なぜこんなにも激しい症状が出たのに、しかもイクラと言うそんなに普段度々出るようなものではない食材なのに、度々食物アレルギーを発症してしまったかと言うと
- 他の食物でもアレルギーが出てしまった(貝)
- イクラを食べた兄助と遊んだ後も目が腫れた(エキスが兄助の手についてた?)
です。イクラを食べさせないよう私たちもジジババや保育園の先生などネーネに関わる大人全員に毎回周知しましたが、まさか他の食べ物でも出てしまうとは…まさかイクラを食べた人と遊んだだけで発症してしまうとは…
これによって、ウチの子どもたちは全員イクラ禁になりました。兄助は好きだったからちょっとかわいそう…。
1歳チビ助の場合
チビ助はつい先日、1歳4か月の時に発症しました。
…いえ、正確には1歳過ぎから怪しい気はしていました。
1歳過ぎでヨーグルトを食べさせた時に、まずそうな顔をする…のはまぁ許容範囲、子どもならあり得る反応として、口の周りのヨーグルトが付いた部分が赤くなっていたのです。
ネーネのこともあったので、私はかなり慎重になっていました。
「1歳過ぎたばかり。まだ慣れていない可能性もある…。時期を見て再チャレンジと言うことで、今はヨーグルトは食べる必要ないな。」
と判断し、夫やジジババにもしばらくヨーグルトや牛乳など非加熱の乳製品は与えないように伝えました。加熱処理された、例えば乳成分を含んだクッキーなどは問題なく食べられていたので、そちらはそのままにしていました。
そして保育園入園。
保育園では1歳児クラスでは皆、おやつの時間に牛乳が出されます。今まで牛乳を割けていましたが、そろそろ…と思い少しずつ飲ませました。
結果4月から発症の5月半ばまでは、おいしくなさそうな顔をするもののコップの半分くらいは一応飲めていました。時々先生から「今日は全部牛乳飲めたんですよー」と嬉しそうに報告を受けることもありました。
しかし、5月下旬のある日、いつも通りおやつの時間に牛乳を飲んだら、みるみる目が、口の周りが赤く腫れてしまったのです。
呼び出しを受けて駆け付けた時には発症から1時間は経っていたので、すっかり治まってしまっていましたが、先生がとってくれたちび助の写真は、かつてのネーネそのもの。
先生にもかつてのネーネの写真を見せると「チビ助くん、お家でもこんな風になっちゃったことがあるんですね…え?これネーネちゃん?うわ、そっくり!」と元々顔が似ている二人なのもありますが、まんまおんなじ症状!
何回か飲んでいたはずなのに、なぜ急に発症しちゃったの?
アレルギー科、小児科では「体調不良の時に出ることもある」と言われ、とりあえず無理強いはせず、ただ可能な範囲で牛乳を飲む機会をなくさないように、もしくは料理など過熱した状態で摂取を続けるように、と言われました。
完璧な牛乳アレルギーになってしまったら、親の私も困るけど、何より彼自身が今後困ります。
私の貝やネーネのイクラ・貝は正直頻繁に出てくるものでもないので、避けようがあるけど、牛乳はそうもいきませんから。
食物アレルギーの検査は受けない
私は食物アレルギーの検査は受けたことはありません。なぜなら受ける必要がないから!
すでに食べてアレルギー症状が出ているので、貝でアレルギーは決定事項です。
アレルギー検査は、実際の症状とアレルギーの検査値がちゃんと比例しないことがあるのです。
なので、食べて症状が出ているのに検査だと大丈夫なことになっている、反対に食べても大丈夫なのに検査だとアレルギー食品になってしまう、と言うことがあります。
ただ、誤解しないでいただきたいのが、全く意味のない検査ではないということです。
例えば
- 何がアレルギーかわからないけど、○○と△△と××の入った料理を食べたらアレルギー症状が出た、と言うときに予想を付ける指標
- 激しい症状は出ないんだけど、何となく調子が悪い…アレルギーっぽい症状が出る時なんかにして、小麦粉などに重度の検査値が出た場合、小麦製品を控えるとその何となく不調が改善することがある
- あとはウチのネーネもそうなのですが、ずっと喘息症状が続いている時なんかは検査をすることで、食物アレルギーだけでなくハウスダストや花粉系も調べられるので、それで季節性のモノなのか、それとも家の掃除を頑張ることで症状が軽減されるのかという指標を得ることで治療方針が多少なりとも変わってくることがあります。
私一家は、すでに食物アレルギーの原因となる食物を特定しているので、検査をやる必要がない。余計な心配を増やす必要がない、と言うだけです。
上述したように、ネーネは喘息治療の一環として食物も含めたアレルギー検査をしましたが、スギとゴキブリに高い値が出て、卵にも少し、そして貝は全く出ませんでした。
でも卵は食べるし、貝は食べません。
スギの季節には前もって喘息治療をレベルアップしておきます。
そんな感じです。
意味はあるにはあるけど、100%ではないのがアレルギー検査です。
食物アレルギーを予防するには
最初にもちょろっと書きましたが、一番簡単で効果的なのが生まれた時からのスキンケアです。
口から入れてアレルギーが発症する、と言うことはもちろんあるのですが(私やチビ助はまさにそう)、肌の荒れたところから食物のエキスなどが入り込んでアレルギーが引き起こされる(ネーネはこっちもあったかも)ことのほうが多いと最近では言われているそうです。
口からきちんと摂取すれば、消化液によって体にとって異物となる食物は正しく分解されて、私たちの身となり血となってくれる、と。
一方荒れた肌から侵入してしまうと、消化液で分解できずダイレクトに異物認定されてしまうので、次から体内に侵入・摂取した時に敵認定してアレルギー反応を引き起こすそうです。
そのため、時々「食物アレルギーを避けるためには離乳食の開始を遅らせたほうがいいですか?」というご両親がいたりしますが、
離乳食が遅れるということは正しく口から異物を取り込む訓練が遅れるということで、違う経路(荒れた肌)から異物を取り込んでしまう可能性を増やすのでお勧めしません。
かといって、いきなりいろんな食材を経口摂取すればいいってもんじゃないですよ?
何事も段階が必要です。比較的アレルギーを引き起こしにくいと言われているお米(おかゆ)などから徐々に異物を取り込んで自分の体の一部にする、という訓練をしないといけません。
食物アレルギーを予防するには
- 生まれた時から日々スキンケアを頑張って、赤ちゃんお肌を末永く守る
- 離乳食を適切な時期に適切な順番で開始、進める。
です。
ただし、冒頭でも申し上げたように予防は100%防げるものではありません。
我が家も兄助が1歳でアトピー性皮膚炎を発症してからすべての子どもたちにスキンケアをそれなりには頑張ってきたし、離乳食も気を使いつつ適切に行ってきたつもりでしたが、この有様です。
ただ、できることはしていきたいと思います。
これ以上悪化しないようにスキンケアに励みつつ、除去できるもんは除去するけど(私とネーネの貝とイクラ)、除去が難しい物でまだアレルギー確定出ないもの(チビ助の牛乳)は様子を見なが慣らしながらアレルギーさんと付き合っていこうと思います。