3児の母 マレーシアへ行く

7歳 6歳 2歳 ワンオペ助産師ママ2019年夏からマレーシア生活開始(帰国済)

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バースプランとは

先日パラパラとブログ巡りをしていたら、バースプランについて書かれた記事を見つけました。

 

www.bananacake.xyz

 

そういえば、私も助産師として働いていた時によく「次回の健診までにバースプランを書いてきてくださいね」と言っては「何を書いたらいいんですか?」と聞かれていたのをふと思い出しました。

久しぶりに助産師っぽい記事を書いてみたいと思います。

 

バースプランって何?

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バースプランとは出産に関する計画表的なもののことです。

妊婦さんとそのご家族などで記入してもらい、病院や助産院など出産にかかわるスタッフが共有する、ということがほとんどです。

基本的には妊婦さんとそのご家族の希望を書くものなので、これといった決まりはありません。ただ、もちろん出産というのは予想通りに行くことばかりでは決してないので、希望が100%通るというわけではありません。
あくまでも、「希望」であり「計画」であり、場合によって安全第一で希望外・計画外のことも臨機応変に対応していく形になります。

バースプランを書く目的

とはいえ、初産婦さんや妊婦さん以外のご家族にとっては「出産に関して何を希望できて何を希望できないの?」とそもそも何を書いたらいいのかわからないこともよく言われます。

なので、まずはバースプランを書く目的をお伝えしていきたいと思います。

出産について考えてみる

初産婦さんだと特に「出産」ってどういうものなのか、どういう流れなのかが分からない、ということがあるかと思います。
それをまずは知ってもらうのが第一の目的です。

バースプランを書くためには「出産」に関して基本知識を持たないと書くことができません。なので、書くために自ら知ろう、考えようとしてもらうことが目的になります。

家族で出産への考えを共有する

また、最近は立ち合い出産をされる方も増えてきていますし、立ち合い出産をしないにしても、家族が増えるというビッグイベントは妊婦さんだけのものではなく、家族みんなのイベントです。
妊婦さんが「出産」に対してどんな気持ちを持っているのか、周りの家族はどんな動きを期待されているのかを共有するというのも大事なことです。

もちろん妊婦さんも周りの家族が「出産」に対してどんな風に思っているのかを知ることも大事です。

「出産」について家族で認識を共有するということが第二の目的です。

スタッフ側とすり合わせをしておく

私の以前働いていた病院では臨月に差し掛かる手前の妊婦健診でバースプランの確認をしていました。

それは、出産をサポートしてくれるスタッフ側と「出産」への希望のすり合わせをしておくためです。

最初にも書きましたが、出産は予想外のことが起きることが珍しくありません。なのでプラン通りに行くことは稀です。
しかし、スタッフ達は可能な範囲で希望に沿って出産をサポートしたいと思っているものです。

ところが病院の安全方針や人手の問題などから、出産が始まる前から希望に添えない内容も時々あります。
例えば…

  • アロマキャンドルの使用を希望…病院内には酸素の配管があるため火気厳禁
  • 絶対に一人にしないでほしい…夜勤帯など人手の関係で困難
  • へその緒を自分で切りたい…医療行為に相当するため不可(※病院によります)
  • 好きなCDを持ってくるのでかけたい…CDデッキがない

などなど…。

しかし、事前にこれらのことを希望していること、そしてそのままでは実現無理なことが分かれば打開策が見つけられる希望もあります。

  • 電気を使用するアロマポッドの持ち込みならOK
  • 人手のすくない時間帯は家族に来てもらう
  • CDデッキを持ち込むかiPodなどに入れてくるか

打開策を見つけておくことで、より希望に近づくことができます。

スタッフ側も事前に知ることで、準備できることもあったりします。

希望を叶えるためのアドバイスが受けられる

例えば多くの妊婦さんが「安産」で出産することを願っているかと思いますが、事前にこのような安産希望を聞いた場合、私は妊婦さんそれぞれの状況を見ながら以下のような説明をすることもあります。
  1. 安産で産みたいのであれば、基礎体力が大事
    →臨月に入ったら可能な範囲で運動して基礎体力作り
  2. 安産で産みたいのであれば、赤ちゃんは大きすぎないほうがいい(注!ママと赤ちゃんの推定体重のバランスを見て個別にアドバイス)
    →場合によっては、正期産に入った後はお腹がよく張るように運動して予定日より早く出てきてくれるように促す
専門家として、個々の情報を総合し、妊婦さんの希望を確認したうえで、彼女らの希望をできるだけ叶えるためにはどうすればいいのかを個別にアドバイスしています。

出産はその日だけが勝負ではありません。事前の準備も大事なのです。

バースプランには何を書いたらいいのか?

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基本的には何を書いてもOKです。

例えば「痛くなく安産で産みたい」という希望がよく聞かれます。
もちろんこれはこれで大事な希望なのでOKです。
ただ、掘り下げて記入できるとよりよいでしょう。
痛くなくするための自分なりの方法を考えてみるのです。
  • マッサージをしてほしい
  • 立ち合いの夫にマッサージの仕方を指導してほしい
  • ヨガで習ったポーズをしたい
  • 呼吸法を教えてほしい
  • お風呂であったまりたい
  • 好きなお菓子を食べたい
  • 好きな曲を聴きたい
  • 好きなアロマに包まれたい
  • 麻酔を使いたい

などです。

これらはスタッフ側への要望であると同時に、自分がしたいことのメモの役割も果たします。
ヨガのポーズをしたいとか、正直スタッフに伝えずとも自分で勝手にやるわ…と思うかもしれませんが、もちろんできればやっていいのですが、痛みと戦っているとかつて自分がそう思っていたことを忘れてしまうこともあります。
そんな時このバースプランを一緒に確認しておいたご家族なりスタッフなりがいれば「今こそヨガのポーズじゃない?」と声をかけられます。

 

バースプランにはそういう役割もあります。

思うままにバースプランを書いてみて!

正解はありませんし、書かなくたって出産はできます。

でも、書くことによって自分の中で整理ができたり、家族やスタッフと考えを共有できたり、より良い出産を迎えるための糸口が見つかるかもしれません。

これは何も自然分娩に限ったことだけではありません。

麻酔分娩でも帝王切開でも同様です。
麻酔をかけたらあとはお任せ、帝王切開だから希望できることなんてない…そんなことはありません。
もちろん施設によってできることには制限はあるでしょうけど、不安や心配なことがあればバースプランを通して相談をしてみましょう!希望できるのかわからないことも相談してみましょう!

せっかくの一大イベントですから、悔いが残らないように、できる準備はしっかりしましょう。
準備の一つがバースプランです。思うままに書いてみてください♪